知的障害児と姉

知的障害を持つ妹と姉の私、なんだかんだ大人になってました、そんな日々。忘れてしまう前に書いておきます。

▶転がる妹

 妹が1歳を過ぎたころだろうか、このあたりから母の不安感が私にもわかるようになる。不安感というより、違和感というか…あの感覚は言葉にできない。私は当時5歳6歳くらいだろう、そんな幼い人間でもなんとなく空気が読めるんです。

 

 妹は1歳を過ぎても立たなかった。ハイハイもしていなかったのではなかろうか、かなり遅い成長だったらしい。母は懸命に妹にハイハイを教えたり、立っちするよう仕向けさせていた。母は立たせたいのだろうけれど、妹本人は全くやる気がない。というより、立てなかったんだよね、うん。母は元保育士で、いろんな子供を見てきた分自分の子供の成長が遅すぎることにとても不安を抱いていた。子供の成長過程なんて知る由もない私は「なんでそんなに無理やりさせるん?」と思っていたし、多分母に言った。不安を煽ってすいまっせん。結局、妹が立って歩いたのは2歳になってから。

 

 

 このような母に対して何度も「なんでそんなに無理やりさせるん?」「教育熱心すぎて引く…」ということを後の生活のなかで思うことになる。そしてその感情から派生するイライラやさみしさにコンプレックスを抱き始める。